私、鏡音リンには。


「あ、リン、ほらお兄さん来てるよー」


超──…シスコンな兄がいます。



窓から校門を見てみれば、お兄ちゃんが立っていた。


「ありがとう!バイバイっ」


私は友達に別れを告げて急いで教室を出た。





「あ、リンだ」


玄関に着くと、特別に仲のよい友達であるミクオくんがいて声を掛けられた。


「今から帰るんなら途中まで一緒に帰んない?」


「いいよ!帰ろ!」


快くオッケーをして、私達は話しながら玄関を出た。





「……リン!」


「あ」


校門を通るとき、かなり不機嫌そうな顔をしたお兄ちゃんにガシリと腕を掴まれた。


………忘れてた


お兄ちゃんは、クオくんを威嚇するように睨んだ。


「誰」


「……あ、この人はミクオくんって言って私の友……「彼氏です」


友達だよ、と言おうとしたとき、クオくんが言葉を遮った。


「「はっ!?」」


その問題発言に、お兄ちゃんだけじゃなく私も驚きの声をあげた。


「……誰が?」


眉間に皺を寄せるお兄ちゃんに、クオくんは冷静に返す。


「俺がです」


そのとき、クオくんは口角をあげてニヤリと笑った。


その瞬間、悟った。

………クオくん、お兄ちゃんのこと遊んでるな……


「お前が?は?ありえないから。
お前みたいなの認めないし」


「俺みたいなのって何ですか?
具体的にお願いします」


「……うさんくさくて、嘘とか普通につきそうで、
とにかく信用できなさそうな奴」


見事に当たってます。
信用は出来るけど、今実際に嘘ついてますから。



……とまあ、これがシスコンである兄の、レンだ。


まず、絶対に毎日迎えに来るのと、学校にいるときでも一日三通はメールしてくるのは普通。


男子といるのを見ればこうやって何か言ってくる。



「その通りですけど」

「はあ?意味分かんね」

「まあまあお兄さん落ち着いて」

「お兄さんって言うな!」

「あ、俺帰るね、リン。
愛してるよ」


超がつくほどマイペースなクオくんはわざとお兄ちゃんを怒らすような言葉を言ってさっさと帰っていった。


「ちょっ……クオくん!?

ば、バイバイ…」


完璧に苛立っているお兄ちゃんを放って帰らないでよー!!


「……くっそ…いつか殺す」


「…………………」


隣で何か聞こえた気がするけど、無視しよう。


「……帰ろうよ」


私はため息をついて歩き始めた。




お兄ちゃんと、並んで帰り道を辿る。

毎日のことでもあり、結構お兄ちゃんの隣は落ち着く。



「なあ、あいつとマジで付き合ってんの?」


「付き合ってないよ」


即答すると、お兄ちゃんは顔をしかめた。


「え、じゃあ何。
あいつは何がしたかったわけ」


「お兄ちゃんのことをからかってたんだよ」


「…………あ?」


お兄ちゃんは、かなり低くドスのきいた声を出した。


「あいつ……っカつく、死ね」


「お兄ちゃん、二つも年上なのに大人気ないよ」


そう、お兄ちゃんは二つも年上で、今は高校三年生だ。

なのにも関わらずクオくんと口喧嘩らしきものをして、しかもからかわれて。

なっさけないなあ……


「お兄ちゃんがシスコンだからだよ」


「…リンのこと好きすぎて何が悪いんだよ」


「え、全部?」


「…………………。」


いや、少しは嬉しいけど。

私もブラコンまではいかないけどお兄ちゃんのこと好きだし。



「お兄ちゃんこそ彼女とかいないの?」


「いるわけないじゃん」


「…………へー…
あ、ミクちゃんとか可愛いし優しいしいいと思うけど」


ミクちゃんは、近所に住むお兄ちゃんの同級生だ。
すっごく優しくて、お姉ちゃんのように慕ってる人。


「は、リンのが可愛いし。
つかリンは世界一可愛いから」

「バカじゃないの」


「…………………」


黙り込んだから、横を見てみるといきなり抱き付かれた。


「!?なに!?」


「リンひっど……
俺リンのこと誰よりも大好きで誰よりも大事にしてんのに」


「放れてよ!抱き付かないで!」


「やだし」


何なのこの兄は。

ベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタ………


私達は恋人か!


「知り合いに見られたら恥ずかしいから放れてよ!
てか放れなきゃお兄ちゃんのこと無視するから!」


そう言った瞬間、お兄ちゃんはすぐさま放れた。


「…………………」


……その代わりに、かなり不満そうだ。


あああ、もう、仕方ないなっ


きっと、私は甘いんだろうな。
放っておけばいいんだけど、そんなことしないから。


お兄ちゃんの腕を引き、耳元でかなーり小声で囁く。





「私も大好きだよ」



「………………!」


お兄ちゃんはまた、私に抱き付いた。


「イラッ」


「こえーよ!口で言うな!」


お兄ちゃんに聞こえないように私は短くため息をついた。


………まあ、たまにはこんなのもいいかもしれない。



バカみたいに

(シスコンな兄でも大好きです)



――――――――


しんりょ。様リクエストで兄レン妹リンでした!

素敵なリクエストを頂いたのに上手く書けない自分が嫌になりますw

シスコン通り越して兄妹愛いいですよね←

リクエストありがとうございました\(^O^)/


**


久しぶりに誰かからの頂き物になります!!
・・・最近は勝手に便乗させてもらってるんで。。。ね?

しんりょならではのリクエストを無理やり受けていただきました////
漸く、自分がえらい間違いをしていることに気がつきました!!!
でもでも!!妹リンちゃん可愛いよぉぉぉ!!!
お兄ちゃんはベタベタしてるくらいがしんりょは大変大好きです!!

ちょイスさん。
ありがとうございましたv



http://54.xmbs.jp/rl/?guid=on
ちょイスさんのサイト**ケータイサイト